五拾画廊 浮世絵コレクション!|fifty-gallery

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たかが紙一枚、されど紙一枚 / 第三回

2016年9月30日  


 

〜 浮世絵が欲しい…! 〜

文と構成:吉 いと子


この絵欲しい…!

浮世絵に限らずですが、美術館で展示を見た時にそんなことを思ったことはありませんか?

でもまさかね、美術館にあるものが買えるわけがない…と思うわけで、ついつい展示出口のミュージアムグッズショップにふらふらっと立ち寄って図録やポストカードやクリアファイルを買って満足…。が普通の感覚かも。

特に最近流行りの歌川国芳の浮世絵なんて、猫はいるし、ゆるキャラはいるし、あまりにかわいいので、欲しいなぁ…浮世絵…なーんて思った、という方からのご質問から意外と知られていない浮世絵の買い方についてのお話を。

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(参考作品)「猫の当字 なまず」1841~1843年頃 作:歌川国芳

なにしろ、グッズなどでは表現しきれない色や彫りの立体感、キラキラ光る雲母摺(きらずり)など、イマドキの印刷物と同じく平面だと思っていたのに、実物を見るといろいろな仕掛けがあってグッときちゃう…!のが浮世絵なのですから、やはり本物が欲しい、と思われる方も増えているようです。

実は、浮世絵は美術品の中でも、もともとは庶民の気軽な楽しみのために作られたもの。有名な絵師の浮世絵であっても、インテリア雑貨を買ったり、家具を買うような気分で案外お手頃に手に入るものもあるのです。

 

「…とはいえ一体どこで買えるの??」

当五拾画廊は、路面店でなく予約制の画廊です。ちょっと敷居が高いかな、と思われる方もいらっしゃると思いますが、もちろん、お問い合わせ頂ければ一般の方でも作品をご覧いただけます。

でも、もっと気軽に実物を見たい…といった場合に、どんな方法があるか?実際買っちゃってもどうしたらいい?筆者なりのオススメ方法を、今回はお話ししようと思います。

浮世絵の実物が眠っている最もお手頃感のあるのは骨董市。最近はネットオークションなどにも出ることがあります。

ただし、残念ながら贋物、状態の良し悪し…なかなか見極めるのは難しいものです。浮世絵画廊をたまに…ではありますがはや10年ほどお手伝いしている私も、いくら見分け方を教えてもらってもなかなか(初級編の見分け方は連載第二回参照)。もちろん、見て歩いて(ネットで)サーフィンして、気軽に買ってもいい値段であれば気に入ってものは試しに買ってみるというのもいいと思います。

でも、実際に買う時、私がおすすめしたいのは、案外知られていない「日本浮世絵商協同組合」に加入している画廊さんを探すことです(五拾画廊も加入しております)。

 

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こちらのマークの付いた「日本浮世絵商協同組合」は世界規模で会員さんがいて、「本の版画の公開オークション事業を通して、正当な価格での取引が行われる安全な流通市場を提供し、豊かな日本の文化遺産の保護・評価に貢献することを目的とする。」というコンセプトのもと、しっかりと鑑定を受け、市場適正価格で購入するのに安心なマークなのです。意外と知らなれていないのがもったいないくらい。

こちらの主催する公開オークションに参加してみるもよし、検索して加入している画廊さんを探すもよし。神保町は世界的にも最も浮世絵を扱うお店の多い街なので、実際歩いてお店でこのマークを探してみるのも良いかもしれません。鑑定眼もしっかり持った店主さんがいらっしゃるお店というマークでもあります。

激レアなものであればそれこそ数千万、億、という金額のものもあるのですが、実際に当時摺られた浮世絵であってもそれこそ雑貨やインテリアの感覚で、数千円から数万円で買えるものも多くあります。店に並べているのは商品のごく一部、です。好きなタイプの図柄や好きな絵師さん、予算を店主さんに伝えれば、在庫から探してくれたり、仕入れの時に探しておいてくれたりときっと好みに合ったものを探し当ててくれるでしょう。

実は、最も大事なのはここ→店主さんとの相性

これは浮世絵に限らずですが、感覚や、趣味、気の合う方が見つかれば話も弾み、きっとイメージに合った自分だけの宝物が見つかるに違いありません。

それでもいきなり画廊さんに行くのはなんだかおっかない…という方は、浮世絵に限らず多くの画廊さんが出店するアートフェア東京や、画廊さん、骨董屋さんが集うザ・美術骨董ショーなどで自分と趣味の合いそうなブースを見つけてみるのもオススメです。

 

「買っちゃったけど…どうしよう?」

さて買って、どうするか。

もちろん、コレクションとして収集する目的であれば所有しているということが喜びなわけですが、せっかくです、一番初めに買ったお気に入りは、是非お家に飾ってみてはいかがでしょうか?

…うち床の間ないしなあ…表装ってお金かかりそうだしな…

当然ながら、古き佳きで床の間に掛け軸、のようにしたっていいのですが、今の住宅、今のトレンドのインテリアに合わせ、お気に入りの額に入れて飾るのも楽しいと思います。思い切ってモダンな真っ赤な縁とか、油彩のようなデコラティブな額に入れるというのも絵柄によっては斬新で良いかもしれません。まずは気軽に入れる新宿世界堂のような専門店で比較的安く額をあつらえても良いと思いますし、お気に入りの額縁店を見つけてこだわりのオーダー額を作ってみても楽しいかも。※ネットで注文できる額屋さんも増えています。ご参考までに五拾画廊でもお願いしている額縁屋さんです。ガクブチのヤマモト

浮世絵額のおすすめは、フレームが細めのシンプルなもの。額縁とマットの色で全く印象が変わるので、額縁店に相談しても良いし、買った画廊さんに額装の相談をするとお店を紹介してくれたり、(シンプルなものが多いですが)額付きにしてくれる場合もあります。

…え、色が褪せちゃうんじゃないの?虫喰いは大丈夫??劣化が心配だなあ…

とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、浮世絵と一言で言っても、時代や作者によって使っている顔料なども異なるし、色味によっても退色しやすいもの、しにくいもの様々です。これは鑑定ができる店主さんのいるお店で買うメリットでもあるのですが、その顔料の特性なども聞いて飾り方にアドバイスをいただいてみてください。直射日光や湿気を避ければ、案外気軽に飾れるものも多いんです。玄関や居間に一つ、絵があるだけでグッと雰囲気も変わりますよ。

※注意事項としては、額装のために縁を切っちゃったり、トリミングしたり、は浮世絵の価値を損ないます。また、マットに固定するために裏に貼るテープの種類によっては紙を劣化させるものもありますのでご注意ください。詳しくはご購入の画廊さんにご相談ください。

 

さて、次回は、そんな流通している浮世絵の中でもおそらく美術館にも飾られることは少なく、なかなか人気も出ないであろう日陰の浮世絵…筆者が敬愛するみうらじゅん先生が収集されている「カスはが」(セット売りの観光のハガキの中でも使い道の乏しいであろう不穏なハガキ)ならぬ「カスはん(版)」をピックアップしてみたいと思います。

…えーと、なぜわざわざこの図柄を?と目が点になるような五拾画廊所蔵の珍品も公開ですよ!お楽しみに!

☆五拾画廊ホームページ連載「たかが紙一枚、されど紙一枚」では、皆さんの知りたい浮世絵にまつわるご質問をメールで受け付けております。お寄せいただいたご質問の中から厳正な抽選の上、当連載の本文中でご回答させていただきたく思います。採用された方には特製、春画ポストカードをプレゼント。→ info@fifty-gallery.com へどしどしご応募ください♪

吉 いと子 (五拾画廊たまに手伝い、フリーライター)

 

〜お詫びと訂正〜
第二回連載に次回更新は8月末、と書いてしまいましたが、9月末の誤りでした。お詫びして訂正いたします。当連載は約二ヶ月に一度の更新となりますので、次回は11月末の予定です。

※お知らせ※
この連載をアップするのが2016年の9/30ですが、ちょうど二日後の10/2(前日に下見会もあり)に、日本浮世絵商協同組合のオークションがあります。どなたでも参加できますし、豪華カタログも入手できますので興味のある方は加盟リストの画廊さん、もしくは当画廊までご連絡ください。